有機農業の基礎知識や栽培技術を学ぶ農業講座を平成11年度より開講しています。
月2回全24回の講義で、そのうち半分が実習となっています。講師の先生は、県普及員さんや農協営農指導員さん、今治南高等学校の先生、地域の有機農家の方など。
これまでに約180人が修了し、修了生は、実際に就農し有機JAS認証を取得したり、さいさいきて屋に出荷したり、立派な家庭菜園を営んだりと様々な方面で地域に安全な農産物を生産する技術を広めるために活躍しています。
平成22年度のカリキュラムはこちら
▲講義の様子(野菜の品種について) ▲講義の様子(自家用果樹の植え付けと剪定)
▲実習の様子(夏野菜の芽かき・誘引) ▲実習の様子(病害虫・生育調査)
▲実習の様子(有機ほ場見学) ▲実習の様子(土づくりと機械の使い方)


実証圃を設置して、地域の先進的な有機農業技術を広く開示しています。
  実証圃場 面積 作物名 開示技術 生産者名
今治市郷新屋敷5丁目414外 3,215 果菜類、葉菜類 混作、輸作技術 越智正人
今治市辻堂3丁目38-1 992 水稲 水稲の深水管理による雑草抑制 長尾正人
今治市辻堂3丁目101-1外 3,258 ジャガイモほか 野菜での鶏ふん堆肥使用 長尾正人
今治市郷新屋敷町4丁目51 1,071 サトイモ 野菜での鶏ふん堆肥使用 阿部久敏
今治市国分1丁目乙298-1外 1,200 いよかん 草の利用 丹下隆一
今治市玉川町法界寺乙59-1外 9,000 みかん 柑橘でのEMボカシ使用 (有)三皿園
今治市高市甲110-1 658 季節野菜 野菜でのEMボカシ使用 中野秀則
今治市高市甲644-1 825 季節野菜 生ゴミの堆肥化 中野秀則

*年や時期によって、栽培作物が異なるほ場もあります。

1.郷新屋敷5丁目  
▲初夏の様子 ▲秋の様子
▲一畝ずつ色々な作物が混作されています ▲草の中でも立派なキャベツができています

 

2.辻堂3丁目  
▲草丈20cmほどの成苗で田植えをします ▲田植えと同時に米ぬかペレットを散布
▲深水管理と藻が生えることで光が遮られ、雑草が抑制されます ▲中干し時。雑草はほとんどありません
▲1ほ場あたりのヒエ。ほんのわずか ▲収穫間近の様子

 

3.辻堂3丁目  
▲植え付け時期が遅れ、発芽率が悪い ▲その後パン用小麦の栽培に初挑戦

 

4.郷新屋敷4丁目  
鶏ふんを主体とした土づくりをしています

 

5.国分1丁目  
  草は全て刈り取ってしまうのではなく、いる草は残し、いらない草を引いたり、なぎ倒したりして除いていくようにしています。そうすることで2〜3年すると柑橘の樹に害を与える草は少なくなってきます。
▲夏の様子 ▲秋の様子
▲益虫であるクモの巣 ▲害虫のカイガラムシ

 

6.玉川町法界寺  
▲ここもクモが多い ▲カミキリムシ対策に「バイオリサ」を株元に巻いてます

 

7.高市  
▲夏頃の様子。株元以外には草がたくさん  ▲自家製のEMボカシで栽培

 

8.高市  
▲夏頃の様子。こちらは草の管理がされています
▲キャベツのそばにレタスを栽培
 虫がつきにくいとか
▲野菜くずを直接畑に入れ、その上からボカシと土をかけて、成熟させてから植え付けをすることもあります。

 

実証展示圃の詳しい様子や栽培方法などは、今治市有機農業マニュアル
 掲載しています。

また、新たな技術の実証試験も行っています。
平成21年度は竹粉の利用による玉ねぎの雑草抑制について実証しました。

  設置場所 対象作物 実証技術
今治市東村2丁目甲164-1 玉ねぎ 竹粉利用による玉ねぎの雑草抑制
今治市上徳乙26-1 玉ねぎ 竹粉と籾殻の抑草効果比較実証

 

詳細については、こちらをご覧ください。

実証圃での栽培技術など、地域の先進的な有機農業技術を体系化して、代表的な作物の栽培技術マニュアルを作成しました。

ご希望の方は今治市有機農業推進協議会事務局までお問い合わせください。

有機栽培を行っていて、困ったときや疑問があるときには、NPO法人有機農業技術会議のコラムを参考にしてください。
また、お近くのJA営農センターの営農指導員さんや愛媛県今治支局産地育成室・地域農業室の普及員さんにも相談してみましょう。 

有機農業の基本は土づくりです。
今治市有機農業推進協議会では、農家が自ら自分のほ場の状態を把握し、土づくりを行うことができるように、協議会会員に対して簡易土壌分析器「Dr.ソイル」の貸し出しを行っています。
また、使い方講習会も実施しています。

▲Dr.ソイル  ▲使い方講習会

有機農業に限らず農業を新たに始めようとすると、考慮しなければならないことが意外とたくさんあります。研修先は?土地は?品目は?売り先は?農業経営としてなりたつのか?などなど。
就農相談も行っております。お気軽にご相談ください。

(窓口)

今治市有機農業推進協議会 TEL 0898-36-1542
愛媛県東予地方局今治支局地域農業室 TEL 0898-23-2570

全国的な就農相談窓口は有機農業参入促進協議会のHP
       http://yuki-hajimeru.net/ をご覧ください。

有機農産物を「有機」と表示して販売するためには、有機JASの認証を取得しなければなりません。
認証を取得するためには、事前に講習を受講したり、生産の記録をつけたりしなければなりません。
詳しくは、登録認定機関NPO法人愛媛県有機農業研究会にお問い合わせください。

*小学生でも有機JASがとれるんだ!
今治市では、平成14年度より4つの小学校が学校農園での有機JAS認証取得にチャレンジし、見事取得に成功しました。
現在は、立花小学校の学校農園で引き続き有機JAS認証の取得を継続しています。

*市民農園も有機です
今治市が開設している「いまばり市民農園」は農薬や化学肥料を使わないことが入園条件の有機市民農園です。
   1区画約30uで全54区画、利用料は1年間5,000円(1区画あたり)です。