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有機農業とは、化学的に合成された肥料や農薬、遺伝子組み換え技術を使用しないことを基本として、自然にあるものや、生き物が生み出したものを使って、環境への負荷をできる限り抑えた方法で米や野菜、果物などを生産する生産方法のことをいいます。
有機農業の基本は土づくりから始まります。稲わらや家畜のフンなどを使って堆肥をつくり、堆肥を使って健康な土をつくることで、土の中の微生物を増やし、微生物を食べる虫、虫を食べる鳥など、つながりあう生態系を守りながら農産物を生み出していきます。
有機農家は、農薬や化学肥料を使わなくても雑草や病害虫等による品質や収量の低下を起こさないようにするために、様々な技術を組み合わせて農産物を栽培しています。
JAS法では2年以上の間、化学合成農薬や化学肥料を使用していない土地で、それらを使わないで土地の持つ生産力や自然の力を活かして、「有機農産物の日本農林規格」に従って生産された農産物であって、登録認定機関の認定を受け、「有機JASマーク」をつけたものでなければ、「有機」と表示して販売することができません。 有機JASマークをつけて流通している有機農産物は国産農産物全体の0.18%(平成19年度)とごくわずかです。 有機JAS認証は、農産物だけではなく、加工食品や、家畜のえさ、畜産物に対する認証もあります。 |
▲有機JASマーク |
*「無農薬」 や 「減農薬」という表示にも注意が必要です!!
無農薬栽培や減農薬栽培については、基準が無いことから、「無農薬」「減農薬」と表示して販売することはできません。農林水産省のガイドラインで、農薬や化学肥料を地域の栽培方法よりもそれぞれ50%以上削減した農産物については、「特別栽培農産物」と表示するように示されています。たとえば、無農薬の場合は、「特別栽培農産物(栽培期間農薬・化学肥料不使用)」、減農薬の場合は、「特別栽培農産物(当地比農薬50%削減・化学肥料50%削減)などとなります。
愛媛県では、国のガイドラインにそった「特別栽培農産物」の認証と、愛媛県独自の基準である「エコえひめ」の認証を行っています。
詳しくは、「愛媛県特別栽培農産物等認証制度」のHP
http://www.pref.ehime.jp/h35500/tokusai/index.htmlをご覧ください。
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▲農薬・化学肥料を50%以上削減 | ▲農薬・化学肥料を30%削減 | ▲新たに「農薬・化学肥料不使用農産物」に対する認証もできました。 |
みなさんは、有機農産物に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。
欧米人は、「環境にやさしい農産物」というイメージを持っている人が多く、日本人は、「安全・安心」と思っている人が多いようです。
平成20年度に今治市有機農業推進協議会が市民の方を対象に実施した「有機農産物に関する意識調査」(PDFファイル)によると、「農薬や化学肥料の残留の心配がないので安全・安心」が74.7%、「自然環境にやさしい」が58.7%、次いで「健康によい」が56.2%、「値段が高い」が41.9%、「おいしくて栄養価が高い」が31.5%、「品揃えが限られている」が17.1%、「虫食いなどがあって品質が良くない」が10.3%、「一般の農産物と変わらない」が3.2%でした。
有機農産物に対する印象は人によって様々であり、また、目に見えるものではありません。
そこで、少しでも目に見える形で表すことができないかと考え、次のような取り組みを行っています。
■本当に安全なの?■
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遺伝子組み換えと残留農薬の検査キットを購入し、希望があれば無償で検査をします。 *遺伝子組み換えは、コーン、大豆、加熱済み大豆の検査が行えます。 |
■本当に栄養があるの?■
有機農産物の栄養成分分析を実施しました。
1.地元産有機にんじんと地元産慣行にんじんの成分比較
極端に大きな違いはありませんでしたが、有機にんじんのほうが、ミネラル類やビタミン類などの微量 成分が多く含まれていることがわかりました。
成分 | 有機にんじん | 慣行にんじん | 比率 |
---|---|---|---|
ナトリウム | 8.7mg | 53.8mg | 0.17 |
カリウム | 369mg | 191mg | 1.93 |
鉄 | 0.35mg | 0.17mg | 2.06 |
銅 | 0.03mg | 0.01mg | 3.00 |
マンガン | 0.04mg | 0.08mg | 0.50 |
ビタミンE | 0.5mg | 0.3mg | 1.67 |
ビタミンK | 5.0μg | 3.0μg | 1.67 |
ビタミンB1 | 0.04mg | 0.03mg | 1.33 |
ビタミンC | 5.0mg | 4.0mg | 1.25 |
2.地元産有機レタスと工場生産レタスの成分比較
工場生産レタスのほうが、全体的に栄養価が高いことがわかりました。栄養バランスまで考えて施肥設 計がなされていると考えられます。
成分 | 有機レタス | 工場レタス | 比率 |
---|---|---|---|
ナトリウム | 5.3mg | 8.7mg | 0.61 |
カリウム | 191mg | 356mg | 0.54 |
カルシウム | 36mg | 56mg | 0.64 |
マグネシウム | 9.0mg | 17.7mg | 0.51 |
鉄 | 0.4mg | 0.4mg | 1.0 |
マンガン | 0.06mg | 0.42mg | 0.14 |
カロテン | 92μg | 631μg | 0.15 |
ビタミンE | 0.1mg | 0.1mg | 1.0 |
ビタミンK | 43μg | 200μg | 0.22 |
ビタミンB1 | 0.05mg | 0.03mg | 1.67 |
ビタミンC | 5.0mg | 11.0mg | 0.45 |
食物繊維 | 0.8g | 1.0g | 0.80 |
注)これらの検査については、特定の作物を検査したものであり、全てのにんじんやレタスにあてはまるわ けではありません。
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■本当に環境にやさしいの? ■
水田や畑には作物を食べるなど被害を与える「害虫」や、その害虫の天敵である「益虫」をはじめ、害虫でも益虫でもない「ただの虫」など、たくさんの生きものが生息しています。
そういった生きものの多様性を大切にしようという新たな視点も生まれてきています。平成22年10月に「生物多様性条約」の第10回締約国会議(COP10)が名古屋で開催されたことは記憶に新しいところです。
今治地域でも、四国の有機農業に取り組んでいる仲間たちと一緒に、定期的に有機の田んぼや周辺水路の生き物調査を行っています。
平成20年の調査では、一つの田んぼで、絶滅危惧種2類に指定されている「トリゲモ」を含め、55種類の生き物が見つかりました。55種類というのは、トキの野生復帰を目指して、地域で環境保全に取り組んでいる佐渡と同じくらいの水準で、生物多様性がとても豊かであることがわかります。
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▲生きもの調査の様子 |
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▲平成20年9月には 近くにコウノトリもやってきました。 |
また、コンクリート畦畔にあぜ塗り機で土畦をつけ、少しでも生きものが生息できる環境を作る配慮もしています。
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有機農業や有機農産物についての普及啓発を図るために、有機農業推進セミナーを開催しています。
・第1回
開催日 平成21年3月14日(土)
場 所 今治国際ホテル 2階 真珠の間
演 題 「有機農業推進法で農をどう変えるか」
講 師 有機農業推進議員連盟事務局長 ツルネン・マルテイ参議院議員
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有機農業推進法の制定にご尽力された有機農業推進議員連盟事務局長のツルネン・マルテイ参議院議員を講師にお迎えし、講演会を開催しました。 世界中の有機農業の事例を踏まえながら、有機農業を広めるために、今後、地域が取り組むべき方向性について示唆してくださいました。 |
・第2回
開催日 平成22年3月4日(木)
場 所 今治国際ホテル 2階 クリスタルホール
基調講演:「半農半Xという生き方〜和の農・和の食・和の職でまちづくり」
講 師 塩見直紀さん(半農半X研究所代表)
事例報告:1. 「水稲の深水管理について」
報告者 長尾正人さん(有機農家)
2. 「水稲有機栽培の実証結果について」
報告者 松本健一さん(愛媛県今治支局産地育成室専門員)
3. 「タマネギ栽培における竹粉の除草効果について」
報告者 織田悟さん(有機農家)
加藤建二さん(リサイクル加藤)
4. 「小祝塾を受講して」
報告者 越智昭夫さん(愛媛有機農業研究会)
丹下隆一さん(有機農家)
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基調講演では、「半農半X」という生き方を提唱しておられる半農半X研究所代表の塩見直紀さんが、農業に携わる人だけでなく、全ての人たちが、農を意識した生き方をすることが、21世紀を生き抜くための新たな生き方の一つであるとご講演くださいました。 ちなみに「X=生き甲斐」です。 |
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その後、地域で有機農業を実践している方や研究をされている方が、自身の栽培技術や、実証結果、勉強会に参加した報告などをしてくださいました。 |
・第3回
開催日 平成23年3月23日(水) 午後2時〜4時30分
場 所 今治国際ホテル 2階 クリスタルホール
演 題 「栽培方法の違いと農産物の特徴
・・・美味しい農産物とは?その作り方は?」
講 師 NPO法人有機農業技術会議 代表 西村和雄さん
*セミナーの資料がご入り用の方は今治市有機農業推進協議会事務局までお問い合わせください。
今治市では、有機農業の推進を柱の1つに掲げた「今治市食と農のまちづくり条例」(PDFファイル)(平成18年9月29日条例第59号)に基づき、有機農業を中心とした環境にやさしい持続的に発展する農法の確立と、安全な食料の安定的な供給体制の確立を目指して「今治市有機農業振興計画」(PDFファイル)(平成20年4月)を策定し、安全な食べ物による食と農のまちづくりに取り組んでいます。
【振興計画の基本構想】
1. 農業者が有機農業に容易に従事することができるようにすること。
2. 農業者その他の関係者が有機農業により生産される農産物の生産、流通または販売に積極的に取り組む ことができるようにすること。
3. 消費者が容易に有機農業で生産される農産物を入手できるようにすること。
4. 有機農業者その他の関係者と消費者との連携を促進すること。
5. 農業者その他の関係者の自主性を尊重すること。
6. 地域の環境保全、農業振興及び活性化に結びつけて有機農業を推進すること。
【有機農業の推進及び普及の目標】
1. 有機農業に関する技術の開発・体系化
2. 有機農業に関する普及指導の強化
3. 有機農業に対する消費者の理解の増進
4. 有機農業の推進体制の強化
【今治市の有機農業の現状と目標】
*有機JAS認定事業者数 12人(平成19年度)→ 20人以上(平成23年度目標)
・第三者による認定等を受けていない有機農家数 10戸 (平成19年度)
・特別栽培(農薬・化学肥料不使用)認定農家数 3戸 (平成19年度)
・特別栽培(農薬・化学肥料5割削減)認定農家数 736戸(平成19年度)
*有機JAS認定ほ場面積 24ha(平成19年度)→ 48ha(平成23年度目標)
・第三者による認定等を受けていない有機ほ場面積 5ha(平成19年度)
・特別栽培(農薬・化学肥料不使用)認定ほ場面積 8ha(平成19年度)
・特別栽培(農薬・化学肥料5割削減)認定ほ場面積 250ha(平成19年度)