有機農産物を食べてみたいと思っても、なかなかスーパーでは売られていません。平成20年度に実施した有機農産物に関する意識調査によると「食べてみたいが売っているところがわからない」と答えた人が66%もいました。
それは、もともと有機農業の取り組みが、単なる商品の売り買いではなく、生産者と消費者が対等の立場で、お互いが相助け合い、支え合う「提携」という形で行われてきたからだといえます。
農家は作物を作ることで私たちを支え、私たちは食べることで農業や農地を支えています。その本来あたりまえに行われ、つい忘れがちになってしまっていることを、意識して取り組んでいるのが「提携」です。
食べ物をつくる人と食べる人がお互いを知り、支え合う「人とのつながり」も有機農業ではとても大切にしています。

*愛媛有機農産生活協同組合
愛媛県には、生産者と消費者が「提携し、」30年前から「命」と「自然」を大切にする活動を行ってきた愛媛有機農産生活協同組合(通称:ゆうき生協)があるのをご存知ですか。

 詳しくは、ゆうき生協のHP
         http://www.ehime-yuuki.sakura.ne.jp/をご覧ください。


表示の偽装や、有害物質の残留などで、食の安全・安心を揺るがされている今、有機農産物に対するニーズは高まってきています。
有機農産物を使ったオーガニックレストランや、スーパーの産直コーナーで有機農産物が販売されているところもあります。
▲有機農産物を使った料理を提供するレストラン

▲有機JASマークをつけて販売されている有機農産物

また、実需者の方に有機農産物について知っていただき、販売促進につなげるために商談会にも参加しています。

今治ではこんな農産物が栽培され、出荷されています→
品目別出荷時期


▲愛媛県が主催する「地産地消・愛あるサポーター交流商談会」に参加しました。

消費者と交流を行い、有機農業及び有機農産物に関する普及啓発を図るために、様々なイベントにも参加しています。

▲スーパーでの店頭販売 ▲農協まつりに参加


▲地産地消・愛あるサポーター交流会に参加

昭和58年の鳥生小学校の自校式調理場の建設に伴い、その校区である立花地区において有機農産物の学校給食への導入が開始されました。
その取り組みは、現在、鳥生小学校、立花小学校、城東調理場に拡大し、計約1,400食、市全体の約1割になっています。
旬の野菜を中心に、立花地区での有機野菜の導入は40%(重量割合・平成23年度)に至っています。有機の割合が100%に満たないのは、この地方で出来ない果物や野菜等を他から購入しているためと旬の時期以外に恒常的に供給することが困難な農産物があるためです。

▲有機農産物を使った学校給食

▲生産者が毎日調理場へ納品しています

【平成23年度立花地区学校給食に占める有機野菜・果物の割合】             (Kg)(%)

品 目 使用数量 内有機量 有機割合 品 目 使用数量 内有機量 有機割合
たまねぎ 5,920.0 5,900.7 99.7 ピーマン  217.1  6.5 3.0
じゃがいも 4,122.4 1,500.7 36.4 白ねぎ  190.7  83.8 43.9
にんじん 3,056.1  486.0 15.9 かぶ  173.9  5.6 3.2
キュウリ 2,852.5 1,264.1 44.3 トマト  153.3  50.1 32.7
キャベツ 2,832.6  215.7 7.6 みずな  145.6  8.0 5.5
はくさい 1,320.1  112.7 8.5 なす  144.1  11.9 8.3
だいこん 1,305.1  892.2 68.4 ミニトマト  118.2  4.0 3.4
ごぼう 1,144.3   7.0 0.6 とうもろこし  66.2  48.0 72.5
こまつな 1,112.8  512.1 46.0 しょうが  63.4  22.1 34.8
ほうれんそう  880.8  280.2 31.8 にがうり  38.7  2.4 6.2
さつまいも  777.7  731.1 94.0 パセリ  26.8  17.7 65.8
さといも  703.4  703.4 100.0  にんにく  12.9  10.5 81.4
レタス類   544.1  142.8 26.2 温州みかん  768.6   429.1 55.8
 かぼちゃ  492.0  130.0  26.4 ぽんかん  152.5   10.0 6.6
ねぎ   456.0  239.0  52.4 レモン  122.5   69.1 56.4
チンゲンサイ  423.0  48.5 11.5

私たちは、現在立花地区に限定されているこの取り組みを、他の地区にも広げていきたいと考えています。